「なっ・・・何見てるの?」

休み時間中、ジッと写真を見ているカオスに、セロはおどおどとしつつも訊く。

さっきからずっとこうだ。

授業中も先生の話なぞ全く聞かず、写真の中に居る人物をジッと見ていた。

ジーッと写真を眺めては、不適に微笑み奇声上げる。

クラスのみんなはフル無視だが、後ろに座っているセロは気になって仕方がない。

もっとも、セロだけではなくカオスの事を好いているアルベールもチラチラと横目で見ていた。

「ちょっ!?いきなり話し掛けないで下さいよ!!」

「あっ、ごご・・・ごめんね」

不意に後ろから声を掛けられ、ビクッと反応し焦った表情をしつつセロの方に顔を向ける。

それに対し、セロはオドオドとしつつ俯き謝る。

「あ・・・あの、何見てたの?」

イソイソとポケットの中に写真をしまい込むカオスに、再度顔を上げマジマジと見ながらセロはもう一度同じ質問をした。

「ふふっ・・・秘密ですよ♪」

ニッコリと笑いまた前を向く。


(うっわぁ〜・・・キモイもん見ちゃったよ。アイツ今すぐにでもぶっ殺したい)

(気になるー!!)

教室移動をしようと思い教科書を手にし、さっさと行こうとしていたアキナだが、運悪く変な気持ち悪い笑みを見てしまい、隣でガタガタ震えた。

そして、やはり気になるのか、突っ立ったまま写真をしまい込んだ右ポケットをジッとみるアルベール。

「2人とも置いてきますよ〜??」

「あーごめん。今行く」

ドアの近くで手招きしているフランに、2人は慌てて駆け寄り教室を後にした。



ガタッ・・・。

「カッ・・・カオス君??」

いきなり立ち上がるカオス。

それに驚いたのか、セロは手にしていた教科書を床の上に落としてしまった。

慌ててそれを拾い、下からカオスを見た。

「次は、魔法学の授業ですね」

小さく溜息をつき、机の中から教科書とノートを取り出す。


そして・・・・。


Y

何時もより大きな声を出し、自分の好きな人の名前を呼ぶ。

「え??何?」

呼ばれた本人は、吃驚した声で言葉を出した。

「一緒に逝きませんか?」

少し頬を赤らめ、そしてちょっぴりモジモジしながらに話し掛けるカオス。

「いや!マテマテ!行くだろ行く!!字がちげぇよ!」

近くにいたシンは、カオスの言葉に思わずツッコミを入れる。

「逝くらな君1人で逝ってほしいよな・・・」

シンの隣でボソッと小声で呟くアゲハ。

「いやいや!そこはそう言う所じゃないだろ!!」

もうツッコミまくるシン。

それを見て、クスクスと笑う

「2人きりで行きましょう」

「あ・・・今度は字間違ってない」

「ん?あぁ、そうだな・・・。ってちがーう!!!」

アゲハの言葉に、コクリと頷いたがカオスの言った言葉を思い出し、ブルブルと首を横に振り声を張り上げる。

「煩いな」

「お前が余計なこと言うからだろー!」

「おーい、とカオス行っちまったぞ〜?」

ギャーギャー騒いでる間を割、ヨーコが教室のドアの方を指さす。

「何時の間に行ったんだよ!くそ〜カオスの野郎っ!!」

「アンタがギャーギャー1人勝手に騒ぐからだろ」

「一言多いんだよアゲハは!」

「だから煩いよシンさん。大福・・・、口の中にぶち込むよ」

「・・・・・スンマセン」

サッとポケットから袋を取りだし、中に入っている大福をシンに見せる。

結構大きい。

一口では食べきれない。

眼がマジのアゲハに、シンは土下座をして謝った。

そんな姿を見て、腹を抱えて笑うヨーコ。







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「次は、魔法学ですねY

「うん。そうだね〜」

2人肩を並べて廊下を歩く。

(ふふっ・・・皆さん驚いてらっしゃいますね)

すれ違う生徒は意外な組み合わせに眼がくぎ付け状態だった。

『うっわ〜・・・』と声を出す者から、信じられないというような顔をしている者と反応は様々。

(しかし私も幸せ者ですね〜と一緒に教室移動なんて・・・♪)

心の中でガッツポーズをとるカオス。

「カオス君?」

「へ??あ・・何でしょうか?」

ポケーッとしていたので心配になったのかはカオスに声をかける。

「私の話・・・つまらなかったかな?」

苦笑しつつ申し訳なさそうな顔をし、カオスの顔をジッと見た。

「いえいえ!とんでもないですよ!!との会話で詰まらない事なんか・・・。私の話の方がよっぽど詰まらないですよ」

首を横に振り、の言った言葉に否定する。

「ふふっ、ありがと♪カオス君の話も面白いよ?」

ニッコリと微笑む。

その微笑に見惚れるカオス。

(あ〜は私の女神だ・・・)

やや危険な方向にいきつつも、『ありがとうございます』と返事を返した。

鼻血をだしたのか、自分の鼻の穴にティッシュを詰め込みながら。



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いつもは静まりかえった魔法学を習う教室は、授業のある時だけ生徒が集まり賑やかになっていた。

昨日のテレビドラマの話、魔法学についての話、ゲェムの話、様々な会話が教室の中で飛び交う。

「カオスくーん!!」

「ギャーッ!!!」

後ろからアルベールに抱きつかれ絶叫するカオス。

「ちょまっ!何するんですか!」

勢いよく前に転け、慌てて立ち上がりふと横を見た。

「・・・・・・?」

さっきまで一緒に居たはずのは、さっきの一瞬の出来事の間だに、他の友達に話し掛けられたのか楽しそうに話をしていた。

ボーッとその光景を見る。

(優しい子・・・ですものね・・・)

彼女の性格を思い出し、俯き苦笑する。

「カオス君、どうしたの?大丈夫??」

机の上に教科書を置き、ストンと座る。

心配そうに声を掛けてくるアルベールを無視し、机の上に顎をのせた。

そして、ガヤガヤと賑わっている教室の中で盛大な溜息をついた。






「ってゴルァー!!カオス!アンタ何と一緒に移動してるわけ!!頭が高いYO!!」

「グフーッ!!」

頭上からアキナの鉄拳がおりる。

予想外の事に、見事カオスはその鉄拳をまともに喰らう。

口から血を吐きグッタリとしているカオスに、悲鳴を上げ駆け寄るアルベール。

が汚れる」

倒れているカオスを足蹴りしているホタルの顔は、般若のように恐ろしかった。

・・・私に力を」

意味不明なことを言いつつ、瀕死のカオスは右ポケットから例の写真を取り出す。

そして・・・・・。


「ギャーッ!!!何してんのコノ変態!!」

「キモイ。逝って良し」

見ればが映っている写真。

それにカオスはムチュ〜Yっとキスをした。



更に悲鳴を上げ挙げ句の果てには失神するアルベールに、アキナとホタルは青筋を浮かばせ袋叩きにした。

「これ没収だからね」

ハラリと手から落ちた写真を拾い、ヒラヒラと写真を倒れているカオスに見せるホタル。

しかしちゃんと、その光景を見ているのかは謎である。

「気色悪いなこの人外は!!」

トドメの一発を腹に喰らわしつつアキナは声を張り上げた。

「アルベールどうする?」

未だグッタリと倒れているアルベールを見下ろし指さす。

「とりあえず、保健室にでも連れて行くか〜・・・」

何故カオスのことが好きなのかサッパリ分からず、思わず溜息をつくアキナ。

授業の始まるチャイムが鳴り響く。



終わり・・・?

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あっ、スンマセン;やっぱ中途半端に終わっちゃいました(死)
こんなので宜しければ、貰って下さい!!
返品不可ですからね☆(最悪)
(平塚 遊吉サマよりw)

ぎゃぼー;;挿し絵担当の萩原です。
小説最高なのに挿し絵最低ですみません;;スランプ過ぎて無理でした(爆)
つか平塚様にダメ元でお願いした小説が、まさか本当に書いて下さるとは!
しかも本当に素晴らしいですwカオスのキモサが出ていてw
まさに悪夢小説!wこれからも末永く宜しくお願いしますw
萩はもっとましな挿し絵を描けるよう努力します!!(爆)
萩原熾鷺